大阪地方裁判所 昭和53年(わ)343号 判決
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【判旨】
売春防止法一二条でいうところの<中略>「居住させ」というのは、売春婦を場所的な関係で自己の支配下に置くことであり、「売春をさせる」は、売春行為についても支配介入を必要とするという趣旨であるが、右の二要件は相互に密接に関連しているものであり、全体的な考察のもとに、売春婦の居住性についても、或いは売春行為そのものについても、支配関係を有しているか否かを決しなければならない。<中略>被告人らはトルコ嬢を売春婦として雇い入れるに際し、右トルコ嬢の出勤ならびに稼働時間を、交互に早番と遅番の二グループに分け、早番は午後二時から翌日の午前二時までとし、遅番は午後五時から翌日の午前二時までとし、出勤後は右の勤務時間中、トルコ「平安」の一階のトルコ嬢控室に客待ちのため待機させており、右について被告人らは、トルコ嬢間の規律を守るため、或いは営業目的から、無断欠勤、無断外出、遅刻などの禁止を定めていたことが認められる。<中略>また売春行為については、被告人らは、トルコ嬢達に被告人らの意思に従つて遊客をあてがい、トルコ嬢達は被告人らからあてがわれた遊客と売春行為をしたこと、売春料については、すべて被告人らがその料金を定め、トルコ嬢は右定めに従つて売春料を遊客から徴していたこと<中略>被告人らは売春の対償の一部を分配取得していたことが認められる。<中略>
右のように、被告人らとトルコ嬢との関係は、一般の雇用契約におけると同様のものと考えられるが、右のような契約上の管理体制であつても、本件のように、長時間トルコ嬢を控室に待機客待ちさせ、そのトルコ嬢に対し被告人らの指示に従つて売春行為に従事させていたものであるから、売春婦を場所的な関係においても支配管理し、また売春行為そのものについても支配介入関係が存在すると認めることができ、本件は売春防止法一二条の管理売春に該当するものといわなければならない。
(田中正人)